従来の医療安全の取り組みを促進するために
医療組織で行われる様々な教育訓練は、現場での パフォーマンス改善を生じているか不明です。講習会である知識・技術を参加者に伝達できたとしても、 その参加者が得た知識・技術を現場で活かして、その パフォーマンスや所属医療組織の成果が上がるほど に効果的になるのは稀だからです。
例えば、2000年頃から地球規模で盛んになった心 肺蘇生術教育は、結果的に、心肺蘇生術コース参加者 の現場での実践向上や蘇生率改善が現時点では不明 であることを、アメリカ心臓協会(AHA)は懸念して います。そしてその解決策として「心停止患者が優れ た蘇生治療を受けることを確実にするため、学習と 維持を促進する実証済みの教育方法を活用すること によって、蘇生教育の設計と提供は最適化されなけ ればなりません。 」と示しています。その教育方法 の一例として、「インストラクショナル・デザイン」 の応用を推奨しています(
https://bit.ly/2MJo7iXCirculation蘇生教育科学日本語訳)。
 
1 全患安の主な方法論
1.1 インストラクショナル・デザインを基盤とする、 学習者の現場パフォーマンス改善方略の応用
 
インストラクショナル・デザイン(教授システム学) の最新の定義で重視されているのは、「パフォーマン ス向上」が目的であり、「使えない知識の習得を支援 するだけでは十分でないこと」を強調しています。代 わりに、「目的は学習者が習得した新しいスキルや知 識を応用することを支援すること。」と示されていま す(9頁、R.A. リーサー他編・著、鈴木克明ら監訳・訳、インストラクショナルデザインとテクノロジ 教える技術の動向と課題、 北大路書房)。
医療安全の様々な教育・訓練の努力は、ほとんど が医療従事者に新たな知識・技術を与えることに費 やされ、その知識・技術が現場で活かされ、それぞれ の医療従事者の現場でのパフォーマンス向上への支 援に改善が必要です。貴施設の様々な教育訓練に、私ども全患安が提唱する「現場パフォーマンス改善」の方略を追加することで、貴施設の医療安全への取り組み成果が増強すると推察さ れます。
具体的には、インストラクショナル・デザインを応用し、1)学習達成条件(ゴール設定)を明確にして、教育を始める、2)学習者自身が、自ら学習達成条件 (ゴール設定)を記述でき、3)学習者が設定したゴ ールへ向けて、適切な学習方略、教材・指導者などを 選択して学ぶ支援を行います。後述する、「効果的・ 効率的・魅力的振り返り会話実践支援の訓練」で、特に「効果的振り返り会話」の練習によって、振り返り 会話が終了する時点では必ず「次の実践でよりよい 実践ができるための具体的計画立案」ができる技能 を習得し、現場での実践改善が促進します。また、「教 育訓練内容の現場実践を確実にする情報共有訓練」 では、教育評価で重視されている「カークパトリック の4段階評価法モデル」を応用して「レベル3:行動 変容」を促進する技能獲得を目指します (https://bit.ly/2Dnadn8https://bit.ly/2DkQvZ3)。
 

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